建売住宅と注文住宅の違いは?売却時の流れも解説

建売住宅と注文住宅の違いは?売却時の流れも解説

一戸建てには建売住宅と注文住宅、2つの種類があります。
立地条件や築年数、そのときの需要の有無などによって売却のしやすさは変わるものの、建売住宅のほうが売りやすいといわれています。
では、注文住宅とはどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、建売住宅と注文住宅の違いや、売却しやすい理由、売るときの流れについて解説します。
不動産売却をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

家を売却するなら知っておきたい建売住宅と注文住宅の違い

家を売却するなら知っておきたい建売住宅と注文住宅の違い

まずは、建売住宅と注文住宅の違いについて解説します。

建売住宅の特徴

建売住宅の主な特徴や、注文住宅との違いとして、下記が挙げられます。

●設計のバランスが良い
●個性がなく無難
●購入価格が安い


違いとしてまず挙げられるのは、設計のバランスの良さです。
建売住宅は、設計士が土地の大きさや特徴、形状などを考慮して設計をおこないます。
その設計図を基に建築されるため、間取りや仕様などのバランスが良くなるのが特徴と言えるでしょう。
設備や内装のデザインもあらかじめ決まっているため、購入時に失敗が少ないことも、違いの一つとなります。
ただし、その分個性がなく、無難な仕上がりになることが特徴です。
建売住宅は同じものを多数建築することにより、コストを削減しています。
そのため、どの家も無難な見た目になりがちで、個性を重視する方は物足りなさを感じるかもしれません。
建売住宅が売り出される土地では、建売会社が土地を一括で購入するのが一般的です。
一括購入することにより、そのエリアに似たような家が並ぶケースが多く見られます。
建売住宅は、販売を目的として建てられるため、注文住宅との大きな違いと言えるでしょう。
また、購入価格が安いことも、注文住宅との違いです。
土地だけでなく材料も大量に仕入れてコストを抑えているため、物件自体の価格も安くなる傾向にあります。

注文住宅の特徴

注文住宅の特徴と、建売住宅との違いとして、下記が挙げられます。

●個性がある
●価格が高い


注文住宅とは、間取りや仕様、導入する設備まで、すべて施主の好みを反映させた家です。
そのため、個性的な仕上がりになるのが特徴と言えるでしょう。
先述のとおり、建売住宅は決まった土地に設計士が設計をおこなって建てる家のことです。
そのため、無難な作りになるケースが多いと言えます。
一方、注文住宅はリビングが広かったりお風呂が2つあったりと、間取りや設備にこだわることが特徴です。
また、一から家づくりをおこなうため、価格が高くなりやすいことも特徴です。
こだわるほどコストがアップするため、購入時の価格も高くなります。
建売住宅が販売を目的としているのに対し、注文住宅は住むことが目的であることが、両者の大きな違いと言えるでしょう。

建売住宅が売却しやすい理由とは?

建売住宅が売却しやすい理由とは?

続いて、建売住宅が売却しやすい理由について解説します。

理由1:万人受けしやすいデザインや間取り

売却しやすい理由としてまず挙げられるのは、万人受けしやすいデザインや間取りであることです。
先述のとおり、建売住宅は個性がなく無難な仕上がりになるでしょう。
デメリットと捉えられることもありますが、無難な家は固定的な家に比べて、多くの人に受け入れられやすくなります。
たとえば、注文住宅の場合、部屋数を家族の人数に合わせて増やしたり、家具を備え付けにしたりすることが可能です。
キッチンをアイランド型にしたり、お風呂を広くしたりすることもできます。
しかし、このような仕上がりが万人受けするとは限りません。
家族構成や好みが合わず、候補から外されることもあります。
その反面、建売住宅は一般的な4LDKの間取りにカウンターキッチンなど、万人受けするデザインが多いです。
そのため、注文住宅に比べると売却しやすいと言えるでしょう。

理由2:価格を抑えて売却できる

価格を抑えられることも、売却しやすい理由の一つです。
先述のとおり、建売住宅は同じものを多数建築することでコストを削減しています。
購入時の価格が安ければ、売却時にもリーズナブルな価格を設定することが可能です。
マイホームを購入する方のなかには、価格を重視する方も少なくありません。
注文住宅に比べてお手頃価格で購入しやすいことは、買主にとって大きなメリットとなるでしょう。

理由3:境界を巡るトラブルを回避できる

境界を巡るトラブルを回避できることも、売却しやすい理由の一つと言えるでしょう。
家を建築したり販売したりする際に、土地の境界を確定する必要があります。
そのため、売却時には確定測量をおこなわずに販売活動を開始することが可能です。
隣地との境界が曖昧なまま引き渡すと、買主が将来トラブルに巻き込まれる恐れがあります。
買主にとってリスクが高いため、そのような不動産を購入する方は少ないでしょう。
境界が確認された状態であれば、売主・買主ともに安心して取引ができます。

建売住宅を売却する流れ

建売住宅を売却する流れ

最後に、建売住宅を売却する流れについて解説します。

流れ1:査定を依頼する

流れの最初におこなうのは、査定を依頼することです。
査定では、不動産会社が物件を調査し、どのくらいの価格で売れそうかを確認します。
査定には、机上査定と訪問査定の2種類があり、売却が決まっている場合は訪問査定がおすすめです。
訪問査定は実際に現地を訪れ、周辺環境なども考慮するため、机上査定より精度の高い結果を出すことができます。

流れ2:媒介契約を締結する

査定金額に納得できたら、次の流れは媒介契約を締結することです。
媒介契約とは、不動産会社と締結する契約のことです。
契約期間や条件、仲介手数料の金額など、さまざまな事項を決定します。
媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。
一般媒介契約の場合、1社以上の不動産会社に仲介を依頼できるため、幅広く買主を探せるのがメリットです。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にのみ仲介を依頼することができます。
しかし、売主に対する販売状況の報告が義務となっており、積極的な販売活動がおこないやすくなるのがメリットです。

流れ3:販売活動をおこなう

媒介契約を締結した後は、実際に土地や建物を売り出します。
インターネット上に物件情報を掲載したり、オープンハウスを実施したりすることもあります。
内覧対応や条件交渉も、このタイミングでおこないましょう。

流れ4:売買契約を締結する

買主が見つかったら、次の流れは売買契約を締結することです。
売買契約書には、契約金額や引き渡し日、契約条件などが記載されています。
手付金の受け取りも、売買契約時におこなうのが一般的です。

流れ5:決済と引き渡しをおこなう

最後に決済と引き渡しをおこない、売却代金が振り込まれます。
鍵の受け渡しや、所有権移転登記(不動産の所有者を売主から買主に変更する手続き)も、決済のタイミングでおこなわれます。
すべての手続きが完了したら、売却が完了です。

まとめ

注文住宅とは、施主の好みに合わせて一から家づくりをおこなうため、建売住宅とは違い個性が強かったり価格が高くなったりします。
売却しやすい主な理由は、万人受けしやすいデザインや間取りであることや価格を抑えられること、境界を巡るトラブルを回避できることなどです。
査定や売買契約の締結、決済と引き渡しなどをおこない、売却の完了となります。