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不動産売却に必要な告知書とは?誰が記入するべきかと注意点を解説

不動産売却に必要な告知書とは?誰が記入するべきかと注意点を解説

「土地や建物を売るときに設備や建物状況の説明はどう告知すれば良いの?」と疑問を持つ方も少なくないでしょう。
中古物件の売買では高額な買い物をする買主を保護するために、売主に対して不具合や欠陥に関する申告義務が設けられているので、書類の記入には注意が必要です。
本記事では、不動産売却に必要な告知書とはなにかお伝えしたうえで、誰が記入するべきかと注意点について解説します。

不動産売却に必要な告知書とは

不動産売却に必要な告知書とは

不動産売却を検討する際には、告知書の作成が欠かせません。
告知書は、物件の状態を正確に記載し、トラブルを防ぐのに大切な書類です。
ここでは、告知書の必要性と内容について解説します。

物件状況報告書

物件状況報告書は、売主が物件の現状や過去の修繕履歴などを記載する重要な書類です。
これは、買主が物件の状態を把握しやすくするためであり、引き渡し後のトラブル防止にも役立ちます。
たとえば、雨漏りや壁のひび割れといった欠陥がある場合、その内容を具体的に明記します。
また、報告書の内容はできるだけ詳細に記載し、可能な限り写真などの資料を添付することで信頼性を高められるでしょう。
それにより、契約後の不備が発覚した際の買主とのトラブル回避につながるでしょう。

瑕疵

告知書では、物件の瑕疵(かし)についても記載します。
瑕疵とは、建物や設備における不具合や欠陥を指し、構造上の問題や過去の修繕箇所が含まれます。
物件の見えない部分に瑕疵がある可能性があるため、売主はこれを正確に告知しなくてはなりません。
とくに、心理的瑕疵と呼ばれる過去の事故や事件など、売主のみが知る内容も記載が必要です。
そういった隠された瑕疵が契約後に発覚すると、買主との法的トラブルに発展するリスクがあります。

トラブル

不動産取引では、告知書が適切に作成されていないと、買主との間でさまざまなトラブルが生じる可能性があります。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害が告知されていなかった場合、契約後に発覚すれば修繕費用を巡る紛争に発展するかもしれません。
また、契約を結んだあとであっても、告知されていない瑕疵が発見された場合には、違約金が請求されることもあります。
こうした事態を避けるため、告知書には正確かつ詳細な情報を記載し、売主の責任を果たすことが大切です。

不動産売却に必要な告知書は誰が記入するのか

不動産売却に必要な告知書は誰が記入するのか

不動産売却を検討する際には、物件の状態を買主に伝えるための「告知書」の作成が重要です。
告知書には、物件の欠陥や過去の履歴などが詳しく記載され、トラブル防止の役割を果たします。
ここでは、告知書の記入責任や作成における注意点について解説します。

告知書の記入責任は売主にある

不動産の売却時に作成する「物件状況報告書」や「告知書」の記入責任は、基本的に売主にあります。
これは、物件に関する正確な情報提供を求められるためで、売主が隠れた欠陥や修繕履歴などを詳細に報告することが重要です。
とくに、売主が知っている情報を意図的に省略したり、不正確に記載した場合、後にトラブルや法的リスクを招く可能性が高まります。
たとえば、建物の老朽化や水漏れの痕跡、その他の不具合がある場合には、これを正直に記載し、買主が納得できるような説明を加えることが大切です。
このように、売主が誠実な態度で正確な情報を提供することにより、安心できる取引環境を確保することが求められます。

告知書はリスク回避に不可欠

法律上、告知書の記入は必須ではないものの、告知書の提出が推奨されています。
とくに、瑕疵担保責任が免除されていない場合や、物件に問題がある可能性がある場合には、告知書を通じて事前に物件の状態を明示することで、売主はリスク回避が可能になります。
仮に告知書が提出されない場合、取引成立後に物件の問題が発覚した際には、売主に対して損害賠償の請求や契約解除のリスクが増すこととなるかもしれません。
そのため、告知書の作成は売主が誠実な取引をおこなう上での信頼性の証となり、買主にも安心感を与えるものとして重要視されています。
結果として、告知書の提出は法律上の義務ではないものの、リスク管理の観点から見れば売主にとって、不可欠な手段といえるでしょう。

宅建業者の提供する定型書式が利用できる

不動産売却においては、宅建業者が提供する「物件状況報告書(告知書)」の定型書式を活用することが推奨されています。
この書式には、物件に関する欠陥や不具合、過去の修繕履歴などが詳細に記載される項目が含まれており、売主が漏れなく情報を提供できるよう配慮されています。
たとえば、物件の使用状況や構造上の欠陥の有無についても項目があるため、買主はこれらの情報を一目で把握することが可能です。
さらに、この定型書式を使用することで、売主は物件の状況を正確に記録し、後々のトラブル防止につなげることができます。
結果として、取引の透明性が確保され、物件に関する法的リスクを最小限に抑えるための対策にもなるでしょう。

不動産売却に必要な告知書を記入するときの注意点

不動産売却に必要な告知書を記入するときの注意点

不動産売却時には、物件の状態を詳細に伝えるための告知書が重要な役割を果たします。
ここでは、告知書を記入する際の注意点について解説します。

購入者の立場で記載

告知書を作成する際には、購入者が物件を正確に把握できるよう、購入者目線での情報提供が大切です。
告知書には、物件の欠陥や周辺環境、過去の履歴についても具体的に記載することが推奨されています。
たとえば、修繕歴や周辺環境に関する情報を正確に記載することで、購入者が将来予期せぬ問題に直面するリスクを軽減でき、売却後のトラブル回避にもつながります。
さらに、物件に不具合がある場合には、主観的な評価ではなく、客観的な立場から事実を明確に伝える姿勢が重要です。
このように、購入者が安心して物件を購入できるよう配慮することは、売主の信頼にもつながります。

瑕疵担保責任の有無

瑕疵担保責任の有無は、物件売買においてとくに注意が必要な項目です。
瑕疵担保責任とは、物件に隠れた欠陥が見つかった場合に、売主が購入者に対して補償を行う義務を負うことです。
契約内容に応じて、この責任の範囲や期間が異なるため、事前に不動産会社や専門家の助言を受け、詳細を確認しておくことが推奨されます。
また、物件の欠陥や修繕の履歴についても、可能な限り正確な情報を告知書に記載することが求められます。
これにより、購入者に対して誠実な対応を示すと同時に、売却後のクレームやトラブルのリスクも減らすことが可能となるでしょう。

過去の履歴

告知書には、物件の現状だけでなく、過去におこなわれた修繕や事故などの履歴も、できる限り詳細に記載する必要があります。
たとえば、過去に水漏れがあった場合や周辺で騒音問題が発生したことがある場合など、物件や周辺環境に関する履歴は購入者にとって重要な情報です。
これらの情報が告知書に正確に記載されていることで、購入者が購入後の問題に備えることができ、取引の透明性が高まります。
また、告知書に過去の履歴が正確に記載されていない場合、取引後にクレームが発生する可能性があるため、可能な限り確認し、詳細を明記するよう心がけましょう。

まとめ

不動産を売却するときには、物件の瑕疵について記載した告知書の作成が必要です。
基本的には、仲介業者が用意しているフォーマットに沿って売主が記載して、署名と押印を含めて完了となります。
記入漏れがあると、引き渡し後に責任問題を問われる可能性があるので、対応状況や近隣関係などをできる限り細かく記載しましょう。