ゴミ屋敷の不動産買取について！売却の流れや注意点も解説

ゴミ屋敷となった不動産を売却しようとすると、通常の売却よりも難易度が高く感じる場合があります。
敷地内や室内に大量のゴミが散乱していると、衛生面や景観面の懸念が大きく、買い手が敬遠するケースも多いです。
しかし、買取業者を活用すると、ゴミの撤去や物件の再生を一括で依頼できることが多く、スピーディーに現金化できる可能性があります。
この記事では、ゴミ屋敷の定義や売却時の注意点、買取業者を利用するメリットなどについて解説します。

ゴミ屋敷とは

ゴミ屋敷は、近年注目を集める社会問題の一つであり、単なる「汚れた家」というレベルを超えています。
周囲に深刻な衛生被害をもたらすだけでなく、防災上のリスクや資産価値の低下など、多角的な問題を引き起こします。

ゴミ屋敷の定義

ゴミ屋敷とは、不要物や廃棄物が大量に蓄積し、日常生活に支障が出るほど散乱している住宅のことです。
住人が高齢である場合などでは、片付けが困難な状況が続くことで、ゴミが溜まっていってしまうことが考えられます。
なかには、新聞紙や雑誌、空き缶、食品包装などが床や家具を覆い隠してしまい、部屋の機能が著しく損なわれるほどになるケースも報告されています。
このような状態が続けば、住人の健康や安全にも影響を及ぼすだけでなく、近隣住民とのトラブルに発展するかもしれません。

ゴミ屋敷が周辺環境に及ぼす影響

ゴミ屋敷に大量に堆積した廃棄物は、悪臭の原因となるほか、ネズミやゴキブリなどの害虫・害獣が集まりやすい環境を作り出します。
これらの害虫が周辺の住宅に侵入することで、衛生問題が一気に拡大する恐れがあります。
また、放置されたゴミのなかには、可燃物や危険物が含まれている場合もあり、火災のリスクが高まる点も見逃せません。
くわえて、景観を損ねてしまい、不動産価値を下げる要因となることも大きな問題で、近隣住民は精神的・経済的負担を強いられます。
そのため、地域社会においてはゴミ屋敷を早期に把握し、行政や専門業者を交えながら解決策を探ることが重要です。

ゴミ屋敷の買取をおこなうための方法

ゴミ屋敷を売却する際には、通常の不動産売買よりも考慮すべき点が増えます。
売却価格が相場よりも下がりやすく、買い手の興味を引きにくい物件として扱われるため、スムーズな取引を実現するには戦略的な対応が必要です。
ここでは、ゴミ屋敷を売却するときの主な注意点や、ゴミ清掃業者の活用、仲介業者と買取業者の違いについて解説します。

訳あり物件として売却する際の注意点

ゴミ屋敷は、一般的に「訳あり物件」として、市場評価が下がる傾向にあります。
売却までに時間がかかることはもちろん、買い手が見つかっても値下げ交渉を受けやすい点に注意しなくてはいけません。
そのため、売主としては物件の現状を正確に伝えたうえで、隠れた欠陥を故意に隠すことのないように心がけましょう。
欠陥を隠したまま契約を進めると、後々のトラブルにつながり、法的責任を負う可能性もあるため、売却前には自治体の条例や規制も含めて確認しておくのがおすすめです。
また、ゴミ屋敷と認定されていて、行政から指導を受けている場合には、その状況も含めて正直に開示することが求められます。

ゴミ清掃業者を利用するメリット

売却を円滑に進めるためには、ゴミ清掃業者に依頼して、物件を整理・清掃することから始めましょう。
大量のゴミを一度に片付けられるだけでなく、害虫駆除や消臭作業なども同時におこなえるため、物件の印象を大きく改善できるでしょう。
とくに、床や壁、設備などの状態が確認しやすくなるため、内覧時の買い手の反応も良くなる傾向があります。
清掃後に物件の価値が上がり、売却価格の向上につながる場合もあるため、費用対効果という面でも検討する価値は大いにあります。
また、適切な処分方法を熟知している業者に任せることで、環境や法令順守の面でも安心できる点がメリットです。

仲介業者との違い

ゴミ屋敷を売却するには、仲介業者を利用する方法と買取業者に直接依頼する方法の2つがあります。
仲介業者は、買い手を探すまでに宣伝や内覧などの手間がかかる一方で、市場相場に近い価格で売却できる可能性があります。
買取業者は、物件を直接買い取るため、仲介に比べて売却までの期間が短くなりやすいというメリットがありますが、買取価格は仲介に比べて低くなるかもしれません。
早期売却を優先するのか、多少時間がかかっても高値を狙うのか、物件の状況や売主の事情に応じて最適な方法を選択しましょう。

ゴミ屋敷を買取業者に依頼するメリット

ゴミ屋敷の売却を検討する際、専門の買取業者に依頼すると、清掃から買取までの手続きが一括で進められるため、負担の軽減と時短が期待できます。
また、複数の業者と連絡を取る必要がなくなる点は、仕事や家庭の用事で忙しい売主にとって大きなメリットなのではないでしょうか。

すべての清掃と買取を一括で対応してくれる

買取業者は、ゴミ清掃業者とのネットワークを持っている場合が多く、ゴミの撤去と物件の売却を同時に進められます。
通常であれば、清掃を依頼した後に改めて不動産業者と交渉を進める必要がありますが、一括対応なら売主が複数の業者と連絡を取る手間が省けます。
ゴミの片付けから契約までの流れがスムーズになることで、時間と労力を削減し、ストレスを大きく軽減できるでしょう。
さらに、清掃後のリフォームやリノベーションにまで対応している買取業者もあり、物件の再生価値を最大限に引き出す仕組みを整えている場合があります。

短期間で売却が可能

買取業者を利用する最大のメリットは、物件を直接買い取ってもらえるため、成約までのスピードが速いことです。
ゴミ屋敷は、一般の買い手には敬遠されやすいですが、買取業者は自社でリフォームや再販を前提として購入するため、物件の特殊な状態にも柔軟に対応してくれます。
その結果、売りに出してから現金化するまでの期間を短縮できるため、売主が抱える金銭的・精神的負担を早期に解消しやすくなります。
ローンの支払いに困っている、相続した物件を早く処分したいなど、時間的な制約がある場合にも役立つ方法です。

売却後の責任を問われにくい

通常の不動産売買では、売主が契約不適合責任を負うケースが多く、売却後に重大な欠陥が見つかった際に、補修費用などを請求されるリスクがあります。
しかし、買取業者はゴミ屋敷の状態を事前に把握して買い取るため、売却後に責任を問われる可能性が低いです。
また、契約不適合が生じた場合でも、業者が自社でリフォームや修繕をおこなうため、個人の売主が負担するリスクが少ない点も安心材料といえるでしょう。
不安要素の多いゴミ屋敷だからこそ、こうしたメリットは大きな魅力となります。

まとめ

ゴミ屋敷となった不動産の売却は、衛生面や景観の問題から買い手を見つけるのが難しく、通常の取引より手間と時間がかかりやすいです。
しかし、ゴミ清掃業者を利用して物件を整理し、状態を整えることで、売却価格を引き上げたり買い手を見つけやすくしたりすることができます。
さらに、買取業者を活用すれば、清掃と買取を一括して依頼できるため、売主の負担を軽減しながら短期間で現金化できるメリットがあります。
売却後の責任リスクも低くなるため、ゴミ屋敷の売却を検討している場合は、早めに専門業者へ相談すると良いでしょう。