不動産の売却を住みながらおこなう方法とは？メリットや注意点も解説

転勤やライフスタイルの変化などで、不動産を売却したいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、引っ越しをする前に売却すると、新居が見つかるまでの間は「仮住まい」が必要になりますよね。
仮住まいするにもコストがかかるため、「住みながら売却する方法はないの？」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、不動産売却を住みながらおこなう方法や、その場合のメリットとデメリット、住みながらおこなう際の注意点を解説していきます。

不動産売却を住みながらおこなう方法

不動産売却は大きな決断ですが、住みながらおこなうことで生活の安定を図ることができるかもしれません。
その方法として、まずは「買い先行」、「リースバック」、「リバースモーゲージ」の3つの方法についてご紹介いたします。

買い先行

買い先行とは、先に新しい住まいを購入し、その後現在の住まいを売却する方法です。
この方法の最大の利点は、売却前に新しい住まいを確保できるため、引っ越しのタイミングを自由に調整できることです。
急いで売却する必要がなく、納得のいく条件で売却が進められます。
ただし、二重ローンのリスクが発生する可能性があり、資金計画を慎重に立てることが重要です。
新しい住まいの購入資金を確保するために、既存の住宅ローンの返済や、新しいローンの審査が必要となります。
資金計画をしっかりと立てるために、金融機関や不動産会社と密に連携しながら進めることが必要でしょう。

リースバック

リースバックは、自宅を売却した後に同じ物件を借りて住み続ける方法です。
この方法は、売却後も住み慣れた環境で生活を続けられるという利点があります。
とくに、引っ越しを避けたい場合に適しているでしょう。
ただし、家賃が発生するため、売却資金と家賃のバランスを考える必要があります。
また、賃貸契約の条件や期間についても注意が必要です。
リースバックを利用することで、資金の流動性を高めることができますが、将来的な住まいの確保についても計画を立てなければなりません。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージは、自宅を担保に借り入れをおこない、その借入金を生活費などに充てる方法です。
借入金の返済は、通常、自宅の売却時に一括返済されます。
この方法は、特に高齢者の方に適しており、生活資金を確保しながら住み慣れた家に住み続けることができます。
ただし、借入金の利息や手数料が発生するため、総返済額が増える可能性が考えられるでしょう。
また、家の評価額が借入金額に影響を与えるため、市場の変動にも注意が必要です。
リバースモーゲージを利用する際は、金融機関や専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

不動産売却を住みながらおこなうことのメリットとデメリット

不動産を売却しながら住み続けることには、多くのメリットとデメリットがあります。
不動産売却を検討している方にとって、この方法がどのように生活に影響を与えるのかを理解することは重要だといえるでしょう。

住み替え費用

住みながら不動産を売却する場合、住み替え費用を抑えることができます。
新しい住まいが決まるまでの仮住まい費用や、引っ越し費用を節約できるのが大きなメリットです。
一方で、売却が長引くと、二重の住宅ローンやその他の維持費がかかる可能性が考えられるでしょう。
とくに、売却価格が期待よりも低くなった場合、資金計画に狂いが生じることもあります。
このため、事前にしっかりとした資金計画を立て、不動産市場の動向を把握しておくことが重要だといえるでしょう。
また、不動産会社のアドバイスを受けながら進めることで、計画的に売却を進めることができます。

内覧

住みながらの不動産売却では、内覧対応が大きな課題となります。
たとえば、内覧が頻繁にある場合、生活のリズムが乱れる可能性があります。
また、内覧者に好印象を与えるために、常に家を整頓しておく必要があるでしょう。
家の中が散らかっていると、内覧者に悪い印象を与え、売却が難航することがあります。
一方で、住みながらの売却は、家の実際の住み心地をアピールできるというメリットもあります。
つまり、住みながらの売却を成功させるためには、内覧時に清潔で魅力的な状態を保つことが成功の鍵だといえるでしょう。

生活感

住みながらの売却では、生活感を強く出さないことが重要なポイントとなります。
なぜなら、生活感が強すぎる家は、購入希望者のイメージダウンにつながりかねないからです。
しかし、適度に生活感のある家は、生活イメージを抱かせやすく、プラスに働く場合も少なくありません。
そのため、良い生活イメージを思い浮かべてもらえるように意識しながら、部屋のなかを整えましょう。
適度なデコレーションや家具の配置を工夫することで、家の魅力を最大限に引き出すことができます。
さらに、ペットを屋内で飼育している場合は、注意が必要です。
普段から一緒に暮らしている飼い主は、ペットの毛やにおいが気にならないかもしれませんが、ペットを飼っていない購入希望者は気にするものです。
そのため内覧時には、掃除や消臭はもちろんのこと、ペットの一時預かりサービスを検討することも一つの手でしょう。

不動産売却を住みながらおこなう際の注意点

不動産売却を住みながらおこなうことは多くの人にとって大変な作業です。
生活空間を維持しながら購入希望者に良い印象を与えるためには、いくつかの重要なポイントを押さえなければなりません。
この章では、掃除と新居探しの2つの重要な注意点について解説していきます。

掃除

不動産を売却する際に最も重要な要素の一つが、物件の清潔さです。
基本的に、購入希望者は、初めて訪れる物件の第一印象でその価値を判断します。
そのため、家全体を常に清潔に保つことが求められるでしょう。
具体的には、リビングルームやキッチン、バスルームなど、日常的に使用する場所を中心に掃除を徹底しましょう。
とくにキッチンやバスルームは、汚れが目立ちやすい場所ですので、細部まで注意を払い、常にピカピカにしておくことが重要です。
また、不要な物はできるだけ片付け、スペースを広く見せる工夫も効果的です。
これにより、訪れる購入希望者に広々とした印象を与え、物件の価値を高めることができます。
さらに、窓ガラスや鏡も定期的に拭き掃除をおこない、清潔感を保つことが大切です。
清潔で整理整頓された空間は、購入希望者に良い印象を与えるだけでなく、実際の売却価格にも影響を与える可能性があるでしょう。

新居探し

住みながらの不動産売却において、もう一つの重要なポイントは新居探しです。
物件が売却される前に新しい住まいを確保することは、ストレスを軽減するために非常に重要です。
まず、自分たちの希望や条件に合った物件を探すために、早めにリサーチを始めましょう。
インターネットや不動産会社への相談を活用して、予算や立地、間取りなどを比較検討することが効果的です。
また、新居の内覧の際には、複数の物件を見て回り、実際に住むイメージを具体化することが大切です。
さらに、物件を決定する前に、周辺環境や交通アクセス、生活の利便性なども確認しておきましょう。
とくに家族がいる場合は、子どもの学校や通勤の便など、家族全員のライフスタイルに合った物件を選ぶことが重要です。
売却と新居探しを同時進行でおこなうことは簡単ではありませんが、計画的に進めることでスムーズな移行が可能となるでしょう。

まとめ

不動産売却を住みながらおこなう方法には、「買い先行」、「リースバック」、「リバースモーゲージ」の3つが挙げられ、それぞれの方法には利点と注意点があります。
また、住み替え費用の節約や生活イメージのアピールなどのメリットがある一方で、内覧対応の煩雑さや生活感の調整が必要となるデメリットもあります。
不動産を住みながら売却する際は、物件を常に清潔に保ち良い印象を与えることと、早めに新居をリサーチして確保することに注意しましょう。