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遠方から不動産を売却する方法について!知っておきたい注意点について解説

遠方から不動産を売却する方法について!知っておきたい注意点について解説

親から相続した実家や、住み替えによって不要になった家など、処分したいと思っても、その手間と時間がかかるため売却に踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような場合、売却の方法や流れを把握しておけば、遠方から不動産を売却することは可能です。
そこで今回は、遠方から不動産を売却する3つの方法と手続きの流れ、知っておきたい注意点について解説します。
不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

遠方から不動産を売却する方法

遠方から不動産を売却する方法

不動産を売却する際は、まず不動産会社に仲介を依頼し、売却活動をおこなって買主を探すのが一般的な方法です。
不動産会社との媒介契約や販売戦略の打ち合わせ、売却活動中の内見対応、売買契約の締結、決済・引渡しなど、売主が立ち会う必要がある場面は少なくありません。
しかし、売主が遠方に住んでいる場合、現地に訪れるたびに時間と交通費がかかります。
現地に出向く負担が原因で、売却に踏み出せず、空き家として放置しているケースもあるでしょう。
そのような場合は、以下の3つの方法で不動産を売却できます。

●持ち回り契約
●代理契約
●司法書士に依頼


それぞれの方法について、順番に解説します。

持ち回り契約

持ち回り契約とは、不動産会社が売主と買主それぞれの元に契約書を持参し、署名・捺印をもらう、もしくは郵送でやりとりをして契約を成立させる方法です。
売主が現地に出向かずに取引できるため、遠方に不動産を所有している方が多く利用しています。
ただし、売主と買主、不動産会社の三者の認識が少しでも異なっているとトラブルになりやすいため注意が必要です。

代理契約

代理契約とは、売買契約を結ぶときや、決済・引渡しの際に、親族や知人などが売主の代理人として立会い、手続きすることです。
売却したい不動産の近くに信頼できる方が住んでいるのであれば、代理契約を選択しても良いでしょう。
ただし、代理人の言動でトラブルになった場合、委任した売主が責任を負わなければなりません。
また、書類に不備があった場合はその場で手続きできなくなり、取引が遅れる恐れがあるため注意が必要です。

司法書士に依頼

売買契約や、決済・引渡し時の立会いを、司法書士に依頼することも可能です。
代理人の選択や、書類の不備を心配する必要がなく、所有権移転登記まで依頼すれば、遠方からでも安心して不動産を売却できます。
ただし、その場合は司法書士への報酬が発生します。
どれくらいの金額になるのか、事前に把握したうえで依頼するようにしましょう。

遠方から不動産を売却する流れ

遠方から不動産を売却する流れ

実際に遠方から不動産を売却する場合はどのように進めれば良いのか、事前に流れを把握しておきたいですよね。
不動産が遠方にあり、現地になかなか出向くことができない場合は、以下のような流れで売却を進めましょう。

●不動産査定を依頼する
●不動産会社と媒介契約を結ぶ
●売却活動をおこなう
●売買契約を結ぶ
●決済・引渡し


上記の流れに沿って、具体的な手続きの内容を順番に解説します。

不動産査定を依頼する

不動産がどれくらいの価格で売却できるのかを知るために、不動産会社に査定を依頼します。
不動産査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類の方法がありますが、実際に不動産を売却するためには、訪問査定を依頼する必要があります。
現地で立ち会うのが難しい場合は、代理人に依頼しても良いでしょう。
また、不動産会社に鍵を郵送して査定を受けることも可能です。
しかし、訪問査定の際は、不動産会社の担当者と直接話ができる良い機会です。
可能であれば、現地に出向いて立ち会うことをおすすめします。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社が提示した査定価格に納得したら、不動産会社と媒介契約を結びます。
媒介契約は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類です。
このうち、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」は、レインズへの登録と、売主への販売状況の報告が義務付けられています。
遠方からの売却は、販売状況が見えにくいため、状況報告が義務付けられている「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」がおすすめです。
媒介契約は、不動産会社から郵送される媒介契約書に署名・捺印して返送すれば、手続きできます。

売却活動をおこなう

不動産会社が、インターネットに物件の情報を掲載したり、チラシを作成してポスティングしたりといった売却活動をおこないます。
遠方から不動産を売却する場合、不動産会社に物件の鍵を預けておくのが一般的です。
内見希望者が現れたら、不動産会社の担当者が物件を案内します。

売買契約を結ぶ

買主が決まったら、前章で解説した方法で売買契約を結びます。
持ち回り契約の場合は、買主が署名・捺印した不動産売買契約書が郵送されるため、手付金が入金されていることを確認したうえで、売主の欄に署名・捺印して返送しましょう。
代理契約や、司法書士に依頼する場合は、委任状が必要です。

決済・引渡し

売却代金の残金を受け取る決済日に、所有権移転登記をおこなうのが一般的な流れです。
大きなお金を受け取り、不動産を引渡す日であるため、できれば売主が立ち会うことをおすすめします。
しかし、遠方から現地に出向くことが難しい場合は、先述のとおり、代理人や司法書士に委任することも可能です。

遠方から不動産を売却する際の注意点

遠方から不動産を売却する際の注意点

最後に、遠方から不動産を売却するうえで注意すべきことについて解説します。

注意点1:通常より時間がかかる

遠方から不動産を売却する場合、通常の不動産売却より時間がかかる可能性があります。
なぜなら、契約書を郵送でやりとりしたり、買主との交渉がスムーズにできなかったりと、手間がかかるためです。
通常、不動産を売却する際には、3か月~半年程度かかるのが一般的ですが、それ以上かかる可能性も頭に入れて売却のスケジュールを立てましょう。

注意点2:スケジュールを立ててなるべく現地に行く

遠方から不動産を売却することは可能ですが、できる限り現地に行くことをおすすめします。
たとえば、不動産会社と媒介契約を結ぶ際には、直接担当者と会って販売戦略を立てたほうが、より安心して売却活動を任せられるでしょう。
また、買主にとっても、売主と顔を合わせないまま契約を結んだり、多額の代金を支払うことに不安を感じる可能性があります。
何度も立ち会えない場合は、「契約のとき」「決済のとき」など、重要な場面では立ち会えるように、スケジュールを立ててなるべく現地に行くようにしましょう。

注意点3:電話だけで判断しない

販売状況や買主との交渉の内容など、電話で報告を受けて取引を進めることは可能です。
しかし、電話やメールでのやりとりだけで判断して媒介契約を結んだり、条件交渉したりするのはおすすめしません。
不動産の売却は、大きなお金が動く取引であるうえに、トラブルもよく起こります。
したがって、安心・安全な取引をおこなうためにも、少しでも疑問に感じたことは納得できるまで聞いたり、直接現地に出向いて確認したりすることをおすすめします。

まとめ

遠方から不動産を売却する場合、現地に出向いて立ち会えなくても、持ち回り契約や代理契約などによって取引することが可能です。
しかし、不動産の売却は、大きなお金が動く取引であるため、売主が立ち会わないことに不安を感じる買主も少なくありません。
したがって、何度も出向くことができないとしても、重要な手続きの際にはできる限り立ち会えるようなスケジュールを立て、双方ともに気持ちの良い取引を目指しましょう。