不動産買取と仲介の違いとは?買取のメリット・デメリットも解説

不動産買取と仲介の違いとは?買取のメリット・デメリットも解説

不動産を売却する方法は、大きくわけて「仲介」と「不動産買取」の2種類があります。
両者は、不動産を売却する方法や流れ、特徴が異なるため、ご自身に合った方法を選択することが大切です。
そこで今回は、不動産買取と仲介の違いや、仲介と比較して買取のメリット・デメリットを解説します。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

仲介と不動産買取の違いとは?

仲介と不動産買取の違いとは?

不動産を売却する方法は、「仲介」と「不動産買取」に分けられます。
仲介とは、不動産会社に仲介を依頼して個人の買主を探す方法のことです。
一方で、不動産買取とは、不動産会社に直接売却する方法のことを指します。
以下では、仲介と不動産買取の違いを見ていきましょう。

①買主の違い

仲介と不動産買取の1つ目の違いは、買主です。
仲介の場合の買主は、主に個人の方を対象としています。
一方、買取の場合の買主は、不動産会社です。
不動産会社は買い取った物件にリフォームやリノベーションなどの付加価値を付けて、再度販売します。

②売却期間の違い

2つ目の違いは、売却にかかる期間です。
仲介の場合は、不動産会社に仲介を依頼し売却活動をおこない買主を探すため、3~6か月の期間を要します。
また、物件の立地や条件によっては、さらに期間を要することも珍しくありません。
一方で、買取の場合は売却活動が不要のため、早期に売却手続きを完了させることが可能です。
不測の事態の発生リスクも低いため、想定したスケジュールで安心して売却することができます。

③売却価格の違い

3つ目の違いは、売却価格です。
仲介の場合は、売却活動を通して購入希望者を探すため、市場価格で成約に至るケースが多いでしょう。
一方で、買取の場合は、市場価格よりも低くなるのが一般的となります。

④仲介手数料の有無の違い

4つ目の違いは、仲介手数料の有無です。
仲介手数料とは、不動産売買を仲介する不動産会社に成功報酬として支払う費用を指します。
そのため、仲介を依頼した際に発生する費用です。
一方、買取の場合は直接不動産会社に売却するため、仲介手数料は不要になります。

仲介と比較した不動産買取のメリットとは?

仲介と比較した不動産買取のメリットとは?

仲介と買取の違いがわかったところで、以下では、仲介と比較した際の不動産買取のメリットを解説します。

買取のメリット①短期間で現金化できる

買取の最大のメリットは、短期間で現金化できる点です。
前述したように、買取は不動産会社へ直接売却するため、売却活動をおこなう必要はありません。
とくに、不動産の所有に困っており、早く売却したい場合は買取に向いているでしょう。
買取は、売主の希望条件に沿って売却手続きを進めることが可能なため、売却後の使い道やスケジュールが決まっている方にとってメリットがあります。

買取のメリット②契約不適合責任が免責になる

買取であれば、契約不適合責任に問われないというメリットがあります。
契約不適合責任とは、契約書に記載のない不動産の不具合や欠陥などが引き渡し後に見つかった際に、売主に対して問われる責任のことです。
契約不適合責任に問われると、売主負担で補修を要求されたり、契約解除や損害賠償を請求されたりする可能性もあります。
一方で、買取であれば、買主が不動産会社であるため、このようなリスクを回避することができます。
なぜなら、買主が不動産会社の場合、欠陥や設備の不具合を踏まえたうえで購入しているため、売主の義務となる契約不適合責任を免責とする契約条件が多いからです。
このように、仲介と比べて買取は、契約不適合責任に問われない点が大きなメリットの1つといえます。

買取のメリット③近隣住民に知られる可能性が低い

買取の場合は、近隣住民に知られることなく売却することが可能です。
仲介であれば、物件情報をインターネット上に載せたり、広告やチラシを配布したりして広く売却活動をおこないます。
そのため、近隣住民に物件を売り出していることが知られる可能性が高くなるでしょう。
しかし、買取の場合は、個人の買主を探す必要がなく不動産会社のみと取引をするため、近隣に知られる可能性が低いといえます。

買取のメリット④仲介手数料がかからない

買取は、仲介手数料がかからない点も大きなメリットの1つです。
仲介手数料は取引価格に応じて金額が定められており、売却価格が高いほど仲介手数料も高くなります。
たとえば、売却価格が1,000万円の場合は39万6,000円、2,000万円の場合は72万6,000円です。
仲介手数料は、不動産売却時にかかる費用のなかでもとくに高額なため、仲介手数料がかからない買取は大きなメリットといえます。

仲介と比較した不動産買取のデメリットとは?

仲介と比較した不動産買取のデメリットとは?

一方で、仲介と比較した際に、買取にもデメリットは存在します。
以下では、買取のデメリットを見ていきましょう。

買取のデメリット①売却価格が低くなる

買取の大きなデメリットは、売却価格が低くなる点です。
前述のように、不動産会社は買い取った物件に付加価値を付けて再販することを目的としています。
そのため、リフォームやリノベーションにかかる費用や再販のリスクを負うため、市場価格よりも1~3割ほど安くなってしまいます。
また、売主の希望に沿ったスケジュールでの売却や契約不適合責任を免責とする契約条件も、売却価格が低くなる理由の1つと言えるでしょう。

買取のデメリット②買取ができない物件もある

買取を希望していても、必ずしもすべての不動産が買い取られるわけではありません。
なかには、買取できない場合もあるため注意が必要です。
建物が破損していたり、室内の状態が悪い場合は、ほとんどのケースで買取が可能です。
しかし、不動産会社は再販を前提として買取をおこなうため、リフォームをしても需要が見込めない立地の場合は、買取できないことがあります。
また、再建築が不可な物件や擁壁が老朽化している場合など、再販が難しく利益が見込めない場合は、買取が難しいでしょう。

買取を選択したほうが良いケース

仲介か買取で迷っている方のなかでも、とくに買取がおすすめなケースは以下のような場合です。

●早く売却したい理由がある
●まとまった現金が必要である
●仲介で買い手がつかない


何らかの事情により早く売却したい場合や、まとまった現金がすぐに必要な場合は、買取を選択した方が良いでしょう。
また、仲介で売り出したものの、なかなか買い手が見つからない場合にもおすすめです。
たとえば、1年間売却活動をおこなったものの売れない場合は、そのエリアで不動産の購入を検討している方には認知されているはずです。
それにもかかわらず売れない場合、「売れ残り」と判断され、さらに売却が難しくなります。
そのため、売却価格を値引きする必要が出てくることがありますが、値引きを繰り返して安くするよりは、早い段階で買取に切り替えた方が、結果として高く売れる可能性があります。
このようなケースでは、早めに買取を検討するのが無難といえるでしょう。

まとめ

仲介と不動産買取では、買主や売却期間、売却価格、仲介手数料の有無など大きく異なります。
仲介と比べて買取は、売却価格が低くなるデメリットはありますが、短期間で売却でき契約不適合責任が免責になるメリットがあります。
早く売ってしまいたい場合や早期現金化を望んでいる場合は、買取を選択するのが向いているといえるでしょう。