不動産売却で消費税が課税・非課税となるケースは?消費税の注意点も解説
大きなお金が動く不動産売却で、消費税が課税されるのか気になっている方もおられるのではないでしょうか。
不動産売却では、消費税が課税されるケースと非課税となるケースのどちらもあるため、慌てないためにもどのような場合に消費税がかかるのか把握しておくことをおすすめします。
そこで今回は、不動産売却において消費税が課税されるケースや、課税されない非課税のケースについて、また売却時の注意点を解説します。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。
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不動産売却で消費税が課税されるケースとは?
消費税が課税される要件は、事業者が事業としておこなう取引の場合や、対価を得ておこなう取引の場合、また物やサービスの売買・貸付・提供などです。
そのため、不動産会社などの事業者と取引する際は、消費税が課税されます。
不動産売却で消費税が課税されるケースとは、以下のような場合です。
●不動産会社に支払う仲介手数料
●借入先の金融機関に支払う一括繰り上げ返済手数料
●司法書士への報酬
以下では、それぞれのケースについてご説明します。
課税対象①仲介手数料
仲介手数料とは、買主と売買契約が成立した際に不動産会社に支払う成功報酬のことです。
この手数料には消費税が課税されます。
仲介手数料の金額は売却価格に応じて上限が定められており、売却価格が高くなるほど手数料も高くなります。
納付の義務は課税事業者である不動産会社にあり、売主が申告や納付をする必要はありません。
課税対象②一括繰り上げ返済手数料
売却時に住宅ローン残債がある場合は、住宅ローンを完済する必要があります。
ローン残債を一括で返済する際には、繰り上げ返済手数料が発生します。
この手数料も消費税の課税対象です。
費用は金融機関によって異なりますが、固定ローンの場合は3~5万円、それ以外の場合は3,000~5,000円程度に消費税がかかるのが一般的でしょう。
課税対象③司法書士への報酬
住宅ローンを完済すると、不動産に設定されていた抵当権を抹消する手続きが必要になります。
抵当権抹消登記は専門知識が必要で、司法書士に依頼するのが一般的です。
この際に発生する司法書士報酬にも消費税が課税されます。
報酬の相場は5,000円から2万円で、これに消費税がくわわることが多いです。
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不動産売却で消費税が非課税となるケースとは?
消費税が課税されず非課税となるケースについて解説します。
不動産売却で消費税が非課税となるケースは、以下のような場合です。
●土地の売却の場合
●個人が建物を売却する場合
●免税事業者が不動産を売却する場合
●印紙税・登録免許税などの税金
以下では、それぞれのケースについてご説明します。
非課税のケース①土地の売却の場合
不動産が土地の場合、個人でも事業者でも売却時に消費税は課税されません。
土地は消費される性質のものと考えられているためです。
また、土地と一体となっている石垣や庭木を併せて売却する場合も、消費税は非課税になります。
ただし、駐車場や地下車庫などの土地利用に関しては消費税が課税されるため、注意するようにしましょう。
非課税のケース②個人が建物を売却する場合
事業者が事業として対価を得た場合は、消費税の課税対象となります。
したがって、個人が売却した場合は、課税事業者ではないため消費税が課税されることはありません。
つまり、不動産会社を介して売買がおこなわれる場合でも、個人から個人の買主へ売却する際は非課税となります。
ただし、居住用ではなく、家賃収入を得ることを目的とした投資用不動産の売却の場合は、事業に該当するため課税対象となります。
また、前々年の1年間に1,000万円を超える課税売上がある個人が売却する場合も、建物自体に消費税がかかるため注意するようにしましょう。
非課税のケース③免税事業者が不動産を売却する場合
課税事業者ではなく、免税事業者が不動産売却する場合は、消費税は非課税となります。
免税事業者とは、前々年の課税売上高が1,000万円以下の事業者のことです。
非課税のケース④印紙税・登録免許税などの税金
不動産売却では、印紙税や登録免許税、譲渡所得税などの税金が発生します。
これらは、それ自体が税金であるため、当然ながら消費税が課税されることはありません。
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不動産売却時の消費税に対する注意点
不動産売却における消費税についての注意点を解説します。
主な注意点は以下の4つです。
●売買価格は消費税込みの価格で表示される
●仲介手数料は税抜き価格にかかる
●引き渡し時点の消費税率が適用される
●法人が不動産売却した場合は消費税が課税される
以下では、それぞれの注意点についてご説明します。
注意点①売買価格は消費税込みの価格で表示される
不動産の売買価格は、不動産の表示に関する公正競争規約施工規則において、税込み価格で表示するよう定められています。
たとえば、4,000万円で不動産を売却したい場合、消費税を含めた額で表示する必要があるため、消費税が10%の場合は4,400万円で表示しなければなりません。
ただし、土地と建物の両方を売却する場合、土地は非課税のため、消費税の計算において分けて計算する必要するようにしましょう。
注意点②仲介手数料は税抜き価格にかかる
不動産の売買価格は、消費税込みで表示されていることが多く、店頭でも基本的には税込み価格で表示されています。
しかし、仲介手数料については税抜き価格をもとに計算されるため、税込み表示価格で仲介手数料を計算すると誤った金額が算出されます。
したがって、事前に不動産会社に確認しておくことで、予算を立てやすくなるでしょう。
注意点③引き渡し時点の消費税率が適用される
消費税率は、不動産の引き渡し時点の税率が適用されるため、注意が必要になります。
つまり、売却を進める過程で消費税率が変更された場合、引き渡し時点の新しい税率が適用されます。
たとえば、1月1日に税率が変更される場合、1月2日に引き渡すと新しい税率で計算されるため、税率変更のタイミングには十分注意するようにしましょう。
不動産売買は取引金額が大きく、認識を誤ると予算に大きく影響するため、注意が必要です。
注意点④法人が不動産売却した場合は消費税が課税される
法人が不動産を売却した場合、消費税が課税されます。
ただし、課税売上高によっては免税事業者となり、納税義務が免除されることがあります。
免税事業者に該当する条件は、前々事業年度における売上高が1,000万円以下であることです。
ただし、売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、その課税期間から課税事業者となります。
特定期間とは、その事業年度の開始日以後6か月の期間のことを指します。
免税事業者となった場合は、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出を提出するようにしましょう。
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まとめ
個人の方が不動産売却する際は、建物と土地それぞれに消費税が課税されることはありませんが、仲介手数料や繰り上げ返済手数料、司法書士への報酬に消費税が発生します。
ただし、個人の方でも前々年の課税売上高が1,000万円を超えた場合は、課税対象となるため注意が必要です。
また、売却する際は、仲介手数料の税抜き価格に対して消費税がかかる点や、不動産の引き渡し時点の税率が適用されることも覚えておきましょう。
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