住み替えで不動産が売れない理由は?事前対策や売れない場合の対処法を解説

住み替えで不動産が売れない理由は?事前対策や売れない場合の対処法を解説

今まで住んでいたマイホームを売却して新しいマイホームを購入する場合、旧居の売却ができずに住み替えが進まないことがあります。
このような場合には、むやみに値下げせずに売れない理由を知ったうえで対策を考えることが大切です。
そこで今回は、住み替えで不動産が売れない理由のほか、事前にとれる対策と売れない場合の対処法を解説します。

住み替えで不動産が売れない理由

住み替えで不動産が売れない理由

不動産が売れない場合、その背景には何らかの理由があります。
よくある不動産が売れない理由をチェックして、自分のケースを比較してみましょう。

理由①売り出し価格が高すぎる

マイホームの住み替えでは、残っている住宅ローンの完済のために、高額な売り出し価格を設定することがあります。
住宅ローンを完済できなければ金融機関が設定した抵当権を外せず、新しいオーナーへ所有権を移動できません。
このように、住宅ローンの完済に必要な金額を意識して売り出し価格を決定した場合、相場より高額となり売れないことがあります。
マイホームを探している買い手の多くは、近隣相場を把握したうえで予算と希望に合う不動産を探すでしょう。
したがって、近隣相場より大幅に高額な不動産は、魅力的な物件であっても売れない可能性があります。

理由②築年数が古い

売却する不動産の築年数が古いことが理由で、今まで住んでいたマイホームが売れないことがあります。
築年数の古い不動産は使い勝手の悪い間取りであることが多く、現代の暮らしにマッチしていないことから多くの需要が見込めません。
また、長く生活していた室内に劣化や破損が多いと、見た目の悪さから売れないことが考えられます。
築年数だけでなく、駅からの遠さ・地盤の不安など、不動産の条件に弱点がある場合には、売れないことが考えられます。
このほかにも、二世帯住宅・平屋などは探している買い手候補が少ないため、さらに需要が低く売れ残るかもしれません。

理由③売り出すタイミングが悪い

不動産は、1年をとおしていつでも買い手がつきやすいわけではありません。
1年のなかでも、売れやすいタイミングと売れにくいタイミングがあることは、住み替えにおける注意点です。
売れやすいタイミングを知らずに不動産を売り出した場合、有利なタイミングではないことが理由で売れないことがあります。

理由④内覧に問題がある

不動産の買い手候補が見つかった場合、実際の室内を見学してもらう内覧をおこないます。
この内覧で不動産の魅力を十分に伝えられないことが理由で、不動産が売れないことがあります。
内覧で問題になりやすいのが、室内が魅力的に見えないといったものです。
住んでいる状態で不動産を売りに出す場合、散らかっていたり生活感が出ていたりすると、売れないことがあります。
また、室内がきれいでも、買い手候補との対応が不十分だと、売買契約に至らないかもしれません。

住み替えで不動産が売れないリスクを事前に回避する方法

住み替えで不動産が売れないリスクを事前に回避する方法

不動産が売れない背景には、価格や条件などさまざまな理由があります。
売れ残りを防いで早期売却を目指すならば、事前にリスクを回避できる対策をチェックしてみましょう。

事前対策①不動産会社の買取保証を利用する

不動産を売却する方法には、仲介と買取の2種類があります。
売れないリスクを回避するには、この仲介と買取の利点を併せ持つ買取保証を利用することが有効な事前対策です。
買取保証とは、仲介で一定期間買主を探しても売買契約に至らなかった場合に、不動産を買い取ってもらえるサービスです。
具体的には、あらかじめ不動産会社との間で取り決めた期間中は、不動産会社の仲介サポート受けて、マイホームを探している買い手候補との売買契約を目指します。
その後、一定期間を経てもさまざまな理由から不動産が売れ残ってしまった場合、不動産会社との間であらかじめ取り決めてあった金額で不動産会社が不動産を買い取ってくれます。
買取保証のメリットは、まずは有利な条件で買主を探せることと、売れ残るリスクがないことです。
ただし、最終的に買取を利用する場合には、相場価格よりも低い売却金額となることは注意点です。

事前対策②売り先行を選ぶ

マイホームの住み替えでは、旧居の売却と新居の購入といった2つの取引が必要です。
旧居が売れないと新居購入の資金計画に大きな影響を与えるため、売り先行を選ぶことが売れ残りリスクを回避するための事前対策になります。
売り先行とは、新居購入よりも旧居売却を先に済ませるもので、新居の購入資金を確保しやすいメリットがあります。
ただし、旧居からの退去と新居への入居を同じタイミングにできない場合には、仮住まいの確保が必要になることは注意点です。

事前対策③住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンが残った状態で不動産を売却する場合、不動産の売却代金で住宅ローンを完済できなければ原則として不動産の売却ができません。
これは、住宅ローンの融資をおこなうにあたり金融機関が不動産を担保にしていて、住宅ローン完済が抵当権抹消の条件となるためです。
住宅ローンを完済できず旧居が売れないといった状況を回避するには、住み替え計画の最初の段階で住宅ローンの残債を確認することが事前対策となります。

住み替えで不動産が売れない場合の対処法

住み替えで不動産が売れない場合の対処法

実際に不動産を売り出した後になって、売れない理由に気がつくことがあります。
売れない理由が判明したら、適切な対処法を考えてみましょう。

対処法①価格の見直し

高すぎる売り出し価格が理由で不動産が売れない場合、価格の見直しが有効な対処法です。
売り出し価格に売れない理由があるかどうかは、近隣の似た物件の成約価格・売り出し価格から判断できます。
近隣のライバル物件と比較して売り出し価格が高すぎる場合には、相場価格を意識して再度金額を設定しましょう。
この場合、相場価格から適正な価格を算出し、その価格より少し高額な価格にすることがポイントです。
不利な売却価格とならないよう、値引き交渉の余地を残したうえで適正価格を考えましょう。

対処法②ホームステージングを利用する

築年数が古く室内の印象が悪いことが理由で売れない場合は、ホームステージングの利用を検討してみてください。
ホームステージングとは、室内を購入・レンタルした家具や小物でコーディネートし、印象アップを図る販売手法を指します。
ホームステージングを利用すれば、魅力的な写真を広告に掲載でき、より多くの買い手候補からの問い合わせが期待できます。
このほかに、必要に応じてハウスクリーニングをおこなうことも、室内の印象をアップさせるための対処法です。

対処法③内覧対応を考える

ホームステージングやハウスクリーニングを利用すれば、室内の印象を改善できます。
内覧後に売買契約を希望する買い手候補を増やしたい場合、室内の印象アップとともに内覧対応を考えることが対処法です。
室内がきれいであっても、売主の対応が不十分であると、売買契約に至らないことがあります。
買い手候補に安心感を与えるには、誠実な受け答えがポイントです。
質問を受けた場合に丁寧な受け答えをするのはもちろんのこと、マイナス要素についても隠さずに説明することが大切です。
また、内覧では買い手候補と常に一緒に行動するのではなく、自由な見学をしてもらうために離れた場所で待機すると良いでしょう。

まとめ

住み替えで不動産が売れない背景には、価格が高すぎる・内覧で魅力を伝えられないなどの理由があります。
売れ残りリスクを回避するならば、買取保証の利用や売り先行での住み替えが、有効な事前対策です。
価格の見直しやホームステージングの利用など、売れない場合の対処法もチェックしてみてください。